小倉百人一首

きっかけは夫でした。
誕生日を迎えた春の頃から、小倉百人一首の暗記を始めたのです。

「72首覚えた。あともう少しで全部だよ」

もともと大変記憶力に優れている夫、みるみる覚え、
私は一方的にそれを聴くばかり。


それですと、ただ受け身であり、私にとっては面白味にかけます。
そこで、私も覚えることにしました。
学生時代に覚えはしたものの、ほとんど身についてはいません。
まずはノートを用意し、ネットを頼りにその一首一首の解説も書きとめました。
細切れの時間を使い3ヶ月あまり、百首記載できたのが先週の事。
やったーという気持ちが最高!

このノートがあれば百人力です。


お茶の時間、夫が二階から下りてきて、一首口づさみます。
「あっ、ちょっと待って」
と、ノートを出して。


「理想はすべて覚えて、上の句をあなたが言ったら、私がすかさず下の句を言うことよね」

そういえば父母が晩酌をしながらそんなことをしていたことが蘇りました。





上の写真の本は1986年に田辺聖子先生にいただいた「田辺聖子小倉百人一首」1986年角川書店刊です。
その前年の夏、姉と一緒に田辺聖子先生を北海道富良野のファーム富田にご案内したのでした。
富田忠雄さんが優しい笑顔で迎えて下さいました。


その前夜、ホテルの一室で先生そして同行の方々に、ラヴェンダー・バンドルズの作り方を姉とお教えし、
先生は作られたバンドルズをすぐにスケッチブックに描かれたのでした。
それらすべてが夢のような時間。
その一コマ一コマ懐かしく想い出されます。
(このことは拙著『私の庭から』2011年千早書房刊のラヴェンダーの頁にとりあげました)


久しぶりに「田辺聖子小倉百人一首」をに手にとると、これぞまさに今私が読みたい本でした!
小倉百人一首の50首分の丁寧な解説本、
いかにも聖子先生らしい博識の中にユーモアを散りばめて書かれているのでした。