イタリアの旅・・・4 フィレンツェのウフィツィ美術館(3の1)

3日目・5月23日(土)ウフィツィ美術館、バラ庭園、ボーボリ公園


メディチ家所有の美術作品とイタリア絵画の傑作が収められているウフィツィ美術館の見学を致しました。
10年前よりフラッシュなしの撮影が許可されるようになったそうです。

小雨模様でホテルより20分歩くのはちょっと・・・
そこでホテルからタクシー3台に分乗して美術館へ。
少人数はこまわりが利いて便利。
すでに行列ができていて、手前では、バイオリンの妙なる音色が聞こえてきました。コインをバイオリンケースへ。




ベッキオ宮殿とその奥はウフィツィ美術館
美術館内を夫と見学したのは16年前。
その2年前は、今回参加のUさんもご一緒した、「イタリアの庭園巡り」をした時見学したのでした。
急遽夜に特別見学ができるようになりでかけたのでした。
この時の旅は、ロンドン在住のKさんにガイドをお願いして何もかもが素敵だったことを思い出しました。
そんなわけで、外からの眺めもすべてが懐かしく感じられたのでした。




ベッキオ宮殿に入り見学。




薬屋だったメディチ家の丸薬の紋章も飾られています。
メディシンはメディチから。
ちなみに市の紋章はフランスの王様からもらった百合の花の紋章。




ガイドのUさんの解説が始まりました。
メディチ家の修復は世界の様々な人々が行っていることを知りました。
入ってすぐ左側のこの部分は、日本のイオンの岡田さんが、
2年かかり1億円を出して修復されたものとのことで、芸術に対するこころねを感じ誇らしく思いました。




美術館は予約済みなのですぐに入れました。
ジェンティーレ・ダ・ファブリアノ作 1423年作
「東方三賢王の礼拝」
ゴシック様式最盛期の典型的な作品と言われます。
華麗な行列はかなたまで続きます。
金色に輝く中で、イエスキリストを抱く聖母マリアの表情と青い衣の清々しさ。
エスキリストの表情、東方三賢王の特徴も見事です。
動物たちが、皆とても穏やかな顔をしていますね。



フィリッポ・リッピ作 1465年頃
「聖母子と二天使」

イタリア・フィレンツェ初期ルネサンス
コシモ・デ・メディチ時代の画家のフィリッポ・リッピの晩年の代表作の一つ。
カルメル会修道士だったリッポはモデルをしてもらったルクレツィアと結婚、修道僧はやめる。
マリア&キリストの絵は、まさに妻&子の肖像だ。
聖母マリアが初めて手を合わせて描かれた。
始めて宗教的に描かれた。
背景にはのどかな田園風景が描かれている。



サンドロ・ボッティチェッリ作 1486年頃
「ビーナスの誕生」

観ていて感極まり、目頭が熱くなった。
こうして再びフィレンツェにきて、観ることが出来たという感激がこみ上げてきたのでした。

プラトン主義の影響を受けて描かれ、
ポリツィアーノの詩に則って描かれている。 
海から生まれたビーナスは貝に乗り、
風に流されて陸地にたどり着いた。
春が花のマントを広げて待っている。
その背景にはすっくと立つ何本もの月桂樹。
手前の岸辺はガマの穂だろうか。
天使が口から辺りに散らしているのは、香り高いオールドローズ
愛の二面性(純潔と官能)が具象化されているといわれる。
「春」の8年後にロレンツォ・ディピエルフランチェスコの依頼で、メディチ家のカステッロ荘に描かれた作品。
今回予定していたカステッロ荘を観ることができなかったので、次回の楽しみとしたい。



サンドロ・ボッティチェッリ作 1485年頃
「パラスとケンタウロス

ロレンツォ・イル・ナニフィコに捧げられた。
知恵と理性の女神パラス、暴力と欲望の象徴ケンタウロス
パラスはケンタウロスの髪をつかんでいる。
女神の衣装は大公のシンボルマーク。背景の港町はスペインの影響のようだ。



サンドロ・ボッティチェッリ作 1478年
「春」
ロレンツォ・イル・ナニフィコの従兄弟ロレンツォ・ディピエルフランチェスコの依頼で、メディチ家のカステッロ荘に描かれた作品です。新プラトン主義の影響を受けて描かれ、ポリツィアーノの詩「ジュリアーノ・デ・メディチの遊戯の間」と言われている、ビーナスの楽園の場面。
花々が咲き誇り、「春」はバラの花を今ふりまこうとしています。クロリスの口からはバラやコーンフラワーが。
ビーナスの背景に描かれているのはヴィーナスの象徴マートルの木。
結婚式のリースやブーケに使用され、日本でも祝いの木と名付けられて売られているハーブです。
背景には豊穣に実るオレンジ。花も咲いています。両脇には松の葉のようなものも見られます。
地面に咲き誇る、ワイルドフラワーの可憐さにも感動させられます。
花の名前の謎解きをしながら、一日中ここで過ごしたいなと思いました。