イタリアの旅・・・6 ウフィツィ美術館(3の3)


シニョリア広場に面して1583年に作られた屋上庭園として造られたテラスには、
植物が植えられたテラコッタが整然と並べられていて、美しく花咲いていた。
館内では禁止のためか、ここでタバコを吸う方が多かった。



ロッソ・フィオレンティーノ 「楽を奏でる天使」
天使はマンドリンを奏でている。羽がオレンジ色というのが特徴的。その上金髪。
1495年フィレンツェ生まれ。1523年までフィレンツェで活動。
その後フランス国王フランソワ一世に招聘されフォンテンブローの城の一室を装飾した。




ヤコボ・カッルッチ、通称ポルトルモ作 エンマウスでの晩餐 1525年

フィレンツェ・マニエリズモ派の代表画家のひとり。
足元に猫や犬が描かれている当時珍しい表現とのこと。




コシモ一世
トスカーナ地方をメディチ家の領土にし、1569年大公に。
有能な政治家。
どこかで見たことがある様な特徴ある眼差し。



アニョロ・ブロンツィーノ作 「エレオノラ・ディ・トレドと息子」
コシモ一世の妻エレオノラと、後に枢機卿になる息子ジョバンニ。
八人産んで一人残ったという。
エレオノラは、ナポリ総督の娘。
薄暗い夜の風景が背景に描かれ、大胆な模様のきらびやかな服装。
ダイヤのネックレスを欲しがったが、大公は渋ったとのこと。




コシモ一世の御小姓。
ガイドさんによると、顔が良く、コシモ一世が気に入る話をして、精神カウンセラーのような存在だったようだ。
18年前にボーボリ庭園にある彫像を観たが、肖像画をウフィツィで見たのは、初めてだった。



1520年まだ37歳で没。ラファエロ23歳の自画像。




ラファエロ作 ヒワ鳥の聖母 1506年
おだやかで暖かな雰囲気が漂っている。
四年間のフィレンツェ滞在中に、ラファエロは聖母子像と肖像画を描いた。



ラファエロ作 荒野の聖ヨハネ



バルミジャニーノ作 首の長い聖母マリア 1534年〜1540年 
キリストの頭がつるつるになっている。マリアのちくびとおへそが透けて見えている。
首が長く、モジリアニはこの絵から影響を受けたという。
37歳の若さで没。




ティツィアーノ作 「ウルビーノ侯爵夫人エレオノラ・ゴンザカ・デッラ・ロベルの肖像」 

1537年、侯爵夫人が、ベネツィアを訪ねた時に描かれたもののようだ。
腰の飾り紐に結ばれているのは、黄金で作られたポマンダーではないかしらと、興味を持つ。


ウルビーノのビーナス 1538年

ティツィアーノウルビーノ公に依頼され描いた円熟期の作品。ここまで妖艶さが出ている。
右手に持っているのは、香り高いオールドローズ、一枝落ちている。
足元の子犬は上の作品に登場しているものと同じかな?
窓辺の鉢植えはNさんによるとマートルとのこと、外には笠松でもなく糸杉でもない松の木が描かれていることに注目したい。
 

カラバッジョ作 イサクの犠牲 1590年頃
枢機卿マッフェオ・バルザリーニの依頼で描かれた。
この写真は青が入ってしまっているのでよくわからないが、背景には朝日なのだろうか、夕陽なのだろうか、静寂な田園風景が広がる。
太い木を背景に今始まろうとする父子の悲惨な場面。天使がそれをとめようとしている。
光が当たる様子が描かれ浮き出て見える。
革新的な描写法、劇的写実主義の手法がうかがえる作品とのこと。


カラバッジョ作 メドゥーサ 1590年以降
馬上試合の革製の盾に描かれた。
枢機卿フランチェスコ・マリア・デル・モンテの依頼。世にも恐ろしい絵。

◎こうして、ウフィツィ美術館を鑑賞することができて、今回も沢山の感動をいただき、多くのことを学ぶことが出来ました。
きらぼしのごとく並ぶ名作の数々、こうして鑑賞できる幸せ。
ウフィツィ美術館に心からの感謝を捧げます。