イタリアの旅の5月23日・・・旅の3日目です
充実の3日目の最後の訪問地はボーボリ公園です。
美しい猫が迎えてくれました。
そういえば、18年前に訪れた時、ずっと上の陶磁器博物館への階段付近に沢山の猫が寛いでいたのを思い出しました。
ボーボリ公園は、1982年にフィレンツェ歴史地区として、世界遺産(文化遺産)に登録されました。
45,000平方メートルの大庭園で、16世紀の格調高いイタリア庭園が見られる貴重な場所です。
この公園はピッティ宮殿をコシモ一世の妻が買い改装し、続いてブルネンレスキに依頼して造られた庭園が始まりです。
円形劇場などの上には月桂樹で作られた壁にすっぽりと収まる様々な彫像が続く。
バッカスの噴水はブオンタレンティー作。
はるか先に見えるのが、豊穣の女神。
豊穣の女神は右手にはフルーツのバスケットを抱え、左手には麦の穂をかかげています。
この女神は利き手が左手なのかしら。何か意味があるのだろうか・・・
今上ってきた庭園を振り返る。ピッティ宮殿からここまで、斜面に壇上に造られた庭が楽しめる。
まさにイタリア庭園。
坂や階段をフーフー言いながら。
一番年長のUさんの健脚ぶりは素晴らしかったです。
豊穣の女神から左へ進むと、ベルヴェデーレ要塞があり、
フィレンツェのドウモなどの風景が見渡せます。
予定外の場所でしたが見学してよかったです。
幼い息子と若い父親。
今回の旅ではこの組み合わせをよく見かけた。育パパの姿は良いものだ。
陶磁器博物館の前の「騎士の庭」
前回、芍薬とオールドローズが花盛り。
同じ時の訪問だったが、今年は一週間早く花盛りだったようだ。
月桂樹の坂の小道を下りると、
ガイドのUさんが、
「皆さんこちらから振り返ってみてください」
と。
月桂樹の刈り込みの道の美しさをしばし味わいました。
そのすぐ先にはバラと芍薬の美しい庭園が二つ。
横の小道を進むとグロッタの前に出ました。
ブオンタレンティー作のグロッタ(1583年〜1588年)は今回初めて中まで入りじっくりと鑑賞することが出来ました。
時間は要塞まで行ってしまったので、ギリギリセーフでした。
グロッタの起源は古代ギリシア、ローマで神々の聖所としての意味があり、15世紀のイタリアルネサンスの庭園に又造られるようになりました。
ギリシア神話を題材とした彫刻がいろいろ。
土は特別な土が使われました。
天井のフレスコ画の美しさ。俊敏な動物の姿も。
彫像は踏みつけているあられもないイノシシの姿が象徴的でした。
それはともかく、グロッタは想像をはるかに超える摩訶不思議で美しい場所でした。
グロッタはフランスそしてイギリスなどへと影響を与え、様々な庭園の中で見ることが出来るわけですが、こうして歴史ある本物を実際に見ることの大切さをつくづくと思ったのでした。
ギリシア神話題材の彫刻の見事さ。
とろけてしまいそうな目や口元の表現!
ヴィーナスの像がある奥の間は美しい花々や小鳥たちのフレスコ画になっていました。
天井画も美しいのです。
ここは逢引の部屋だったとのこと。
「いつもは開いていない。ラッキーです」
と、ガイドさん。
入口から覗きこむと両脇に見えるオブジェ。
あー、これって!
本当に摩訶不思議。グロッタとはこれだ。というかんじ。
入り口の装飾も実に個性的。
上部にはメディチ家の紋章がそしてその下の左右には・・・
大公コシモ一世の象徴として、亀が背に帆をしょっている姿が、左右対称に。
上の装飾的なガーランドの飾りには貝殻も使われていて美しい模様となっている。
自然の色をいかした石細工もとても美しい。
左側そして右奥の壁際の植え込みは幸せを象徴するオレンジの木。
沢山の実がオレンジ色に輝いていました。
左側に見えるのが、ベッキオ橋からの回廊です。
本当に不思議な回廊です。
秘密の通路みたいに見えますね。
最後にコシモ一世の御小姓が亀に乗っている彫像を鑑賞。
18年前に観た時には理解できなかったけれど・・・
ウフィツィ美術館でコシモ一世やその妻、大公お気に入りの御小姓の肖像画を観てから行ったので、想像の翅がいっそう羽ばたきました。
上に伸びているのは、モッコウバラの白八重咲き。まだ花がありましたが、満開の時にはきっと芳香が辺りに漂っていたことでしょう。
◎フィレンツェに観光でいらしてフリータイムがあったら、是非この歴史ある貴重な庭園を見学してくださいね。