亡き母の味のトロロ汁

義弟からのナガイモが届いた日すぐにとろろ汁を作りましたが、その味に納得がいかず、翌日の一昨日再度挑戦。記憶の糸を手繰り寄せながら母の味に挑戦しました。


記憶にあるのは、煮干しと父の削りたてのかつお節をたっぷり使いしょう油と水で(砂糖かみりんが僅かに加わったかもしれません)煮ている、着物に白い割烹着姿の母のその様子。
それをさましておき、ナガイモはすった後に大きなすり鉢に入れられます。
母が太くて長いすりこ木を器用に使いリズミカルに擂る様子を見ながら、私にもやらせてとかわるのですが、けっこう難しく、お炬燵の定位置に座る父にかわりました。
丁度良い頃に父が声をかけ、母が冷えただし汁を持ってきて、少しずつ注ぎます。
父の擂り具合、母の注ぎ具合、それはいつ見ても絶妙なタイミングでした。

・・・そこで、今回は煮干したっぷりとしょう油、少しのめんつゆと水で煮だし、削り節を入れて少し煮てから火を止め常温までそのままに。
夕飯時になってからナガイモをすりおろし、仕事から帰りごろりとリラックスしてテレビを見ていた夫に「大丈夫できる?」と問いかけると、
「いいよ」とのことなので、フォークで泡立てるようにかきまぜてもらいました。
すり鉢はあるのですが、実家のような大きなものではないので、器のまま。
「そろそろいいよ」と夫。
私が少しずつ液を注ぎ、夫がそっとかき混ぜて、まさに父母を想い出す合作のトロロ汁。
上に焼き海苔を砕いていれ、ネギの千切りを散らしました。
◎食後、似た味だったと満足でしたが、それでもなにかもの足りないと思ったら、トロロ汁の時に必ず食べていたイワシ丸干しがなかったこと。それに母が漬けた漬物も加わりトータルな味だったんだなと気づいたのでした。

これは昨夜の、ナガイモのスライスにかつお節、しょう油とカボス汁をかける一皿。
昨日は帰りが6時を過ぎましたので、途中セブンイレブンに寄り、おでん(卵、大根、牛蒡巻き、ガンモ。夫のみ白滝ブラス)を購入。
ご飯とおでんと、かろうじて手作りのこの一品となり、食後はリンゴを食べて満足の夕飯となりました。