原種薔薇 ロサ・ギガンテア

原種のバラ、ロサ・ギガンテアは、ティー・ローズの先祖と考えられています。
`大花香水月季'ともいいます。


なんとも微妙な色合いの美しい薔薇です。
絵に描いたら様になりますね。
その香りは表現が難しいのですが、ジャパン ハーブ ソサエティーの会報誌『The Herbs №261』ではバラの特集が組まれていて、このバラの香りについて、「グリーンノートとややフェノリックなスパイシー・パウダリーとバイオレット・ウッディーノートがミックスした香りをもつ。(途中略) モダンローズのティーの香りに大きく影響している」と記載されています。
バラの香りは時間や温度によって香りの度合いが違います。
私はこのバラは、切り枝を室内に飾りじっくりとその香りを確かめます。
ティーの香りを確認する、そして上記の表現を確かめる良い機会なのです。


蕾の形もじつに美しい。
右横の開きかけの花は、剣弁高芯咲きの様子がはっきり出ています。

咲き始めはこのように黄色味が強いです。初めの写真とくらべると、同じ花と思えないくらいですね。
拙著『香りのバラ』誠文堂新光社刊(1997年)を制作中、このバラの写真が無くて、今は亡き著名なバラの作出家、鈴木省三先生にお借りしたのでした。これではいけないと、すぐに苗を取り寄せて育て、今は太く大きく育ち、沢山の花を咲かせています。
その時の写真が同じような黄色味の強いものでした。
先生には誠文堂新光社のその他の本やカレンダーの撮影などでもお世話になり、H編集長、Oカメラマンと京成バラ園に足を運んだものでした。
花はこうしてたくさんの想い出を運んでくれます。