バラとイングリッシュ・ガーデンを訪ねて・・・6 チャールズ皇太子殿下の庭ハイグローブ

19日(チャールズ皇太子殿下の庭ハイグローブ、 ブロートン・カースル)
(チャールズ皇太子殿下の庭ハイグローブ)
全員のパスポートがチェックされる厳重な警戒状態の後、バスは一路事務所のある建物へと進みました。
カメラその他の荷物はバスの中に置き下車。
そこには案内の係りのご婦人が何人も待機していてくださり、予約の団体ごとに一人がついて、時間をあけて庭巡りが始まりました。
「ひとかたまりになって、行動すること。決して離れたり遅くなってはいけません」の注意の後、
丁寧な説明付きのガーデン巡りが始まり、それは驚きの連続でした。

庭は撮影できません。そのため、皇太子殿下からは庭の詳細な説明がされている美しい本がプレゼントされました。
庭はやはり素晴らしいものでした。
340エーカーの場所に15エーカーが庭。12名のガーデナーが完全なオーガニックで。
ローズマリー・ヴェアリーさんデザインのコテージ・ガーデンは植物は植え直したけれど、同じ植物を植え、そのまま保全されているとのことで、嬉しいことでした。ピンクや紫色のゲラニウム、ネペタ・ファッシーニのラヴェンダー色や濃い紫色のアイリスなどが咲いていました。トリカブトは蕾でした。
庭はリサイクルのものも多くそのアイディアに感服いたしました。例えばレバノン杉が枯れた後にその枝に皇太子が作られたという小鳥の巣箱などが吊り下げられていて、根元にはオークの若木が植えられて、やがてそのオークが生長していくという、とても興味深いアイディアでした。
大変楽しみにしていたトピアリーは、やはり素晴らしいものでした。
又、120種の花が植えられているメドウの部分の見事さも心に残りました。ここには4種類のオーキッドがあり、皇太子殿下が数えたら、700個あったとのこと。これらの花々が実をつけた8月ごろ、年に一度特殊な労働馬を連れて、ご自分でこの場所をならすという話も興味深くお聞きしました。またこの場所にはイエローラトルという植物が植えられ、これは植物の状態が良すぎて生長しすぎないように、土地をやせさせるための植物とのことでした。
アザレアウォークの塀のベリーの下にTIGGAのプレートがあり、それはいつもここにきて待っていたという最初の愛犬が、この下に埋葬されたとのこと。
この前にあるキッチンガーデンは、壁に囲まれた広いもので、レディー・ソルズバリーデザインとのことでした。レディー・ソルズバリーには姉との共著で、ハットフィールドでインタビューしたり室内での撮影をしたり、ご一緒に記念撮影したり。その後も庭園訪問の度にお会いしましたので、懐かしく思いました。
中ほどにあるイタリアの噴水には苔を生えさせています。周りはハーブガーデンで、その周りのクラブアップルの木は、コロネット・クラウンの王冠の形に仕立てられ、落葉すると、赤い実が宝石のようで、まさにクラウンのようだとのことでした。
その周りは野菜畑で、ソラマメやジャガイモ、レタスなどが、生き生きと美味しそうに育っていました。ここで少しフリータイムでしたがものすごい暑さ。皆木陰に移動して眺めました。
ここを出て、モミジの`出猩々(デショウジョウ)'があちこちに真紅に茂る場所に移動して、彫像の周りに皆で座りました。デショウジョウは我が家でも植えていますので、その見事な自然樹形を眺めながら、「うちのは枝を切りすぎて可哀そうだな・・・」などと思いました。
この場所は「ヒーリング・ガーデン」と名付けられています。2002年のチェルシーで見せていたもので、クイーン・マザーが亡くなり、その記念に造られたとのことでした。木陰になっていてベンチに座ると、ひんやりとしてとても気持ち良い場所でした。
その後も庭めぐりして大変暑くなった中を建物に戻り、シャンペンで乾杯の後、紅茶にミルクを入れて飲みながら、キューカンバンサンドイッチ、クロテッドクリームとジャムタップリをぬったスコーン、プチケーキいろいろ・・・と、本格的なアフタヌーンティーを美味しくいただきました。生のピアノ演奏がとても優雅でした。
目の前には桜の木などがあり、春はその八重の花がきれいだろうななどと、想像しました。