黒百合


 長男が釧路在住の7年の間、毎年夫と二人で出かけました。初めは初夏の頃、次からは秋の紅葉の時期に。
 息子が運転して案内してくれる北海道の大自然の美しさに心うばわれました。
 湖や河や滝や海の美しさ、あちこちの峠のカーブ、岬巡り、湿原、自然の大キャンバスに紡がれた錦絵のような紅葉。
 車を止めて見上げた満天の星の美しさ。
 鹿やリスや鶴や遡上する鮭など自然に生きる動物たち、あらゆる美味なる食べ物、ハシゴしてはいる露天風呂・・・。
 屈斜路湖が見渡せる美幌峠では記念に必ず黒百合の球根を一つ買い求め、帰ってから庭のギボウシの手前に埋め込みました。すると翌年咲いて。
 それからも毎年、買い足した分咲いてくれました。