ティンティンハル・ハウス・ガーデン

国際バラとガーデニングショウ』が、本日より始まり16日まで開催されます。
今回のテーマ・ガーデンの一つティンティンハル・ハウス・ガーデンの庭園を吉谷桂子さんがデザインされています。その初めから出来上がりまでの苦労が、吉谷さんのブログに詳細に綴られています。
私は義兄熊井啓の七回忌のためにこれから松本に出かけ、その後の所要のためにショウを見ることが出来ませんが、是非皆様ご覧いただきたい、ショウです。

ティンティンハル・ハウス・ガーデンは私もかつて訪ねた庭園です。
上の写真は拙著『英国ガーデンスタイル』(1999年毎日新聞社)ですが、ティンティンハル・ハウスの中でもっとも感動したのは、この写真の角度で、ホワイト・ガーデンの「泉の庭」から眺めた館の見える風景です。
館の前のプールガーデン(今回吉谷さんがショウのために造られた部分)から階段を下りてくると、このホワイト・ガーデンがあるのです。バラ、アガパンサス、睡蓮ももちろん白花です。
ペネロピ・ホブハウスさんは、園芸家のフィリス・リス夫人がナショナル・トラストに寄贈したこの館に、テナントとして1978年から1993年まで住みながら、この庭を維持され、この庭の詳細を述べた著書は人々の評判をうみ、沢山の人が訪れたのでした。
ペネロピさんは現在ドーセットに住まわれています。維持していた庭もそうですが、ペネロピさん自身が造り上げた庭が見たくて、1997年6月26日、オープン初日にドーセットの『コーチ・ハウス』を訪ねたのでした。
ペネロピさんは「古びたレンガ塀に囲まれている家」をずーと探し続けてやっと見つけたとのこと。私はそのこだわりに驚きましたが、確かに年月はなにものにもかえがたい味わいをにじませていました。庭園は産声をあげ生長し始め、周りを囲う壁があるおかげで、とても堂々としていて風格がありました。その日の様子は拙著『イギリス庭園めぐり』(2001年千早書房)に書きましたが、その後再度訪問しました。
庭は素晴らしい生長ぶりでさらに整い、さすがペルロピさんだと、感動したのでした。
ペネロピさんのことでその情のあたたかさを感じたのは、ローズマリー・ヴェアリーさんの著書を読んでいた時でした。
ローズマリー・ヴェアリーさんの館、バーンズリー・ハウスのキンググサリの根元にあったホスタ(ギボウシ)がある年枯れてしまったのです。それを知ったペネロピさんが車一台分の若いホスタを持ってきてくれたのです。このことに関しては拙著『ヴェアリー夫人の香る庭』に詳しく書きましたので、興味のある方はごらんください。