詩的で静寂な世界・・・ホワイトガーデン

私が初めてイギリスに庭巡りの旅に出かけたのは、1986年のことでした。
ハーブの本を出版しハーブ教室が始まり、もっと勉強したい知識を吸収したいという思いでいっぱいでした。
訪ねた庭園はどの庭園も特徴があり素晴らしく、その後何回も繰り返し訪ねましたが、ナショナル・トラスト管理のシシングハースト・カースル・ガーデンズは特別でした。

シシングハーストでは、ハーブ・ガーデン、ボーダー、コテージ・ガーデンなどすべてに感動。ホワイト・ガーデンは時間切れで入口から覗いただけでしたので、その翌々年に『ハーブ&ポプリ英国風の楽しみ方』「主婦の友社」の取材で姉と訪ねた時には、心行くまで堪能しました。
その後5月と6月に催行した20年続いた桐原と行く花の旅には、この庭園を入れ込み、稀有な美しさを感ずるシシングハーストのホワイトガーデンの感動を皆さんと共に味わいました。
多くの記事や拙著『英国ガーデンスタイル』1999年(毎日新聞社)、『イギリス庭園めぐり』2001年(千早書房)、『とっておきの英国庭園』2006年(千早書房)、『桐原春子の花紀行』2010年(清流出版)、『花とハーブのガーデン作りBOOK』2000年(主婦の友社)などにも取り上げました。
上の写真はその著書の一部です。

当然、熱心に庭造りをしている自分の庭にも、何とかホワイト・ガーデンを造ろうと何回もチャレンジしました。
始めは主庭の部分に。
ところが「白ばかりだと寂しくていやだ!」
と、夫の反対にあい頓挫。しかしそれが、かえってよかったのです。
だったら、どこに造ろうかと、庭の図面を見ながら考える又考える。
そうしているうちに、ある日突然、
「ここだ!」
という場所が見つかりました。
ウェルカム・ガーデンの奥の場所。
果樹を植え、壁際には小さな温室を二つ置き、息子が作ってくれたトレリスにホップを這わせたりしている場所でした。
まるでお告げをいただいたように、すぐにその場所をホワイト・ガーデンにふさわしい状態になるように、毎日作業が続きました。細い体なのですが力はあります。何もかもが楽しくて仕方がありませんでした。
あれから、15年以上経過したでしょうか。正面にフォーカル・ポイントの白の花鉢をつる下げたり、直線だった道を曲がり道にして砂利を敷きこんだり、手前のツゲをなしにしてシャクナゲを植えたりで年々整い、大好きな感じに整ってきました。
この写真は昨年の春のもので、やっと好みの雰囲気になってきました。
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この写真は先ほど撮影いたしました。こうして写真を撮り、パソコンでさまざまな植物の位置や葉の出方を確認し、より一層見栄えの良い素敵な庭になるように考えています。

アーチは3個設置してして、手前のアーチには、バラの`アイスバーグ'と`シティーオブヨーク'が枝を伸ばし、撮影の時、シティーオブヨークの一輪目が咲いていることに気づきました。

一番手前の日当たりのよい場所に植えてある白のランタナは、秋の終わりまで咲きます。繁茂しますので、時々剪定して整えますが、そのくらい丈夫な花はとてもありがたい存在です。
◎一昨日は柏の読売カルチャーのハーブ・教室でした。その時受講生の方に、
「ブログの君津のファームの庭造りを見たのですが、どうしたらそんなアイディアが湧いてくるのでしょうか?」という、質問をいただきました。
例えばホワイトガーデンは、私にとってこんな出合いがあり、こんな歴史があることを述べさせていただきました。
君津のファームのホワイト・ガーデンも、これからもっと充実させていきたいと思っていますので、ご期待くださいね。
(柏の読売カルチャーは毎月第一木曜日の1:00〜2:45です。電話04-7164-3151 来月は素敵な花束タッジー・マッジー作りです。是非お出かけください)