蝶々がくる庭


 1986年に初めてイギリスの庭巡りをした時、コッツウォルド丘陵地帯のはずれにあるセルスリー・ハーブ・ファームを訪ねました。山羊を飼育しハーブを栽培そして販売している家。サンタクロースみたいな白いひげのピーターさんときりっとした眉毛とにっこり顔がチャーミングなジリアン夫妻が出迎えてくれました。斜面に作られたハーブ・ガーデンやイニシャル・ガーデンなど、ハーブが庭で豊かに使われていて、ハーブの寄せ植えなど参考になるものがたくさんありました。
 大きなブッドレアの木には紫色の花が重たげに咲いていて、蝶が蜜を吸いにたくさんきていました。
「蝶を呼ぶためにブッドレアを植えてあるのよ。花も蝶もきれいでしょう」
と、ジリアンさん。
 この時初めて、『蝶を呼ぶ庭』という存在を知ったのです。
 我が家ではユズとかフェンネルとかパセリ、ホウショウなどに、夫々決まった蝶が卵を産みにきます。それからはもっと意識して、蝶が生育できる植物を植えるようになりました。
 写真は我が家のバラのスイート・ブライアーの枝先で羽を休める蝶。