薔薇の香りのお話5…ノイバラ


気づかないうちにホワイトガーデンのアーチにからめたノイバラがこんなに咲いていました。
甘く懐かしい香り。
懐かしさを感ずるのは幼い頃からこの香りに馴染んでいるからでしよう。
日本原産の野薔薇は、その甘い香りと秋の赤い実で、懐かしの風景として多くの方々の心の記憶の中に収められているのではないでしょうか。

このノイバラは棘が無く、バラの接ぎ木の台木に使われる種類です。
以前薔薇研究家の高木絢子さんにいただいた接ぎ木の薔薇の本体が枯れてしまい、台木のノイバラがこうして勢いを増しています。

中心の咲いたばかりの花が強く香り、その右側奥のものはすでにほのかな香りです。
花芯の部分が焦げ茶色に変化しているものはもう香りません。交配が終わり子孫を残そうとしなくても良い花なのですね。

この小さ目なノイバラはもう30年以上も前に近くの小さな沼の近くで見つけて庭で育てたもの。今は住宅地になりその片鱗も見られない場所です。
繁茂しすぎるので、毎年植木屋さんに剪定していただきます。
葉も花も上のものとはひとまわり小さく、花はより早く咲きますので、今朝はもうこの枝しか残っていませんでした。もっと房のように咲いていたんですよ。
香りは同じです。
後ろの白いものは、猫のモヤの手です。