多肉植物の魅力

この暑さの中、元気な植物は貴重です。多肉植物はそのひとつ。春からグングンと伸びている部分をカットしてさし木。たいがいのものがそのまま根付くのです。右側は2週間程前で左は先ほどさし木しました。水やりもさほど気にせずに生きてくれるありがたい存在です。

27年前、シシングハーストのハーブガーデンで多肉のハウスリークを見て、それがハーブということで関心をもったのですが、イギリスではその多肉を使っての装飾的なタペストリー・ガーデンと呼ばれる花壇が大流行した時代があり、その伝統的な植え込みの流れの中での多肉の花壇が今でもあちこちで表現されています。それを機会あるごとに見続けて、自宅の庭にもそのような花壇も造るようになってゆきました。

ところで、今年はチェルシー・フラワー・ショウ100周年ということで、ウィズリー・ガーデンもそれに関連していつもの多肉ガーデンも飾られるのかな・・・と、とても楽しみにしていたのですが、その姿はありませんでした。驚きと同時に寂しい思いがしたのですが、変革も大切なんだろうなあと思ったことでした。
しかし、シェイクスピア・タウンの街中での大きなメガネのマンガチックな芋虫の多肉仕立てなどにも出会え、形は変えながらも、伝統的なものと新しいものが魅力を放つ多肉です。


ミナック・シアターの多肉ガーデンの魅力

姉に誘われて、一昨年からイギリスの西南端コーンウォール地方を旅しています。
ポースカーノのミナック岬にある、ミナック・シアターは750席あり、ロウィーナ・ケイドという女性が造り上げた、海に面した断崖にある想像を絶する野外劇場です。
何度訪ねても魅せられる特別な場所です。
ここを初めて知ったのは、友人のEMIさんが19年前に下さった、ご主人の写真によるポストカードでした。その2年前に下さった、St.Michael`s Mount のポストカードとともに、私の仕事部屋の壁にピンナップして、ずーと憧れていた場所でした。

(ミナック・シアターにつきましては、姉熊井明子が『シェイクスピアに出会う旅』岩波現代文庫で詳しく述べておりますので、興味のある方は是非ごらんください)

その絶壁の庭には多肉植物が自然風に植えられていて見事に育ち、この劇場にはこの植物がふさわしいと思うような光景で、ますます私の多肉熱が燃え上がったのでした。
大西洋を背景に見える正面の黒い岩の塊りミナック・ロックが小さく見えます。
下に降りていくとこの岩の手前の舞台が見えてきます。

鉢の左側と手前に、ロウィーナさんがコンクリートにネジマワシで彫った模様が見えます。
そんな場所に置かれた多肉の鉢植えだからこそ、いっそう魅力的に感ずるのでしょうね。