林望先生の謹訳源氏物語の講座最終回

雑誌『いきいき』主催による、林望先生の「謹訳源氏物語の講座」を拝聴してまいりました。

6月初めに出版される『謹訳源氏物語十』で、祥伝社より刊行の謹訳源氏物語はすべてがそろいます。
その辺りからお話が始まりました。
原稿用紙6000枚の、この長々とした物語を読み、書いてみると、おもしろいことに気が付く。
当たり前のことが書かれていない。
何が書かれて、何が書かれていない。これがポイント。
主人公が食事の場面が出てこない(ほとんど)。
入浴も洗髪も。
暗黙の了解は書かれない。
恋については一定のパターン(男が女のところに行き、肉体的な行為を行い明け方に帰る)。
これは食事と同じ、つまり当たり前のことだった。
こうした予定通りの時には書かない。しかし男が通い女が会わなかった時は、微に入り細に入り書いた。
行為のことは実亊といわれる。
なぜこんな物語が書かれたのか。
若君、姫君に対する性教育ではなかったか。この物語には教育的成果が出ている。
などのお話の後、 
最終回の本日のテーマ「濡れ場の研究」へとお話は進みました。
「葵」、「若葉」、「夕霧」、「浮船」を取り上げて、その状況を細かく解説していただきました。
時間はあっという間に過ぎました。
これで源氏物語は終わりますが、これからも『いきいき』主催のお話をずっと続けてくださいね。
皆様で、その日をお待ちいたしております。
◎先生が手にしているのは、いつものごとくプレゼントした、朝、庭で摘んで作ったハーブの花束です。ローズマリー、レモンヴァービーナ、センティッド・ペラルゴニウム、タイム、ラヴェンダーなど、香りの良いハーブを選びました。シルバー色のラムズイヤーとシロタエギクも添えて。「確か花粉症でしたね。大丈夫でしょうか」とお話すると、「大丈夫ですよ」と、にこやかに受け取られ、とても嬉しかったです。
林望さんのホームページ www.rymbow.com/  ここの写真日記をごらんください。