劇団民藝公演・・・蝋燭の灯、太陽の光

劇団民藝による公演、テネシー・ウイリアムズ作、『蝋燭の灯、太陽の光』を観てまいりました。


開演5分前。


物語は1927年頃から10年間のこと。場所はアラバマ州レッドヒル地方の炭坑町です。
炭坑夫ブラム・ピルチャー演ずるは千葉茂則さん。はつらつとした若い時、そして10年の間に目も見えなくなってしまう哀れな様子を熱演。妻へスター演ずる箕浦康子さんとのやり取りも。
ピルチャー家の長男ジョンの未亡人ファーンを演ずる日色ともゑさんの迫真の演技は涙なしでは見られませんでした。それにしても良くかけているなあと、テネシー・ウイリアムズに感心。
身を落としてしまった娘スターとその彼レッドとのやり取りには、スイカズラが登場します。スターの胸に先程近くの窪地で摘んだスイカズラが飾られ、「良い香りだ」と、感動する彼。スイカズラは夕方から夜にかけて濃厚な甘い香りで昆虫や人を惹き付けます。
「窪地にスイカズラが咲いていて、水たまりには満月が映っている」
それを聞いて彼は一緒に見ようとスターを引っ張り出すのです。
テネシー・ウイリアムズは『ガラスの動物園』とか『欲望という名の電車』などで知られている劇作家ですが、この、『蝋燭の灯、太陽の光』は、まだ大学生の頃、セントルイスのアマチュア劇団のために本名で書いたものだそうです。私にはこのスイカズラの辺りに、もしかしたら実際にあったことかもと勝手に想像するほどの初々しさを感じました。


本日は終演後、バックステージツアーがあり、舞台監督の中島裕一郎さんが、舞台が八百屋のように少し斜面になっていることや、まわり舞台は四人ほどの人力で廻していることなどを説明してくれ、奥の方まで見学。
この写真は実際に動いているところを皆で感心して眺めているところ。ビニール袋にはそれぞれ靴を入れています。
若い劇団員の方々が沢山いて質問にも丁寧に答えてくれました。

沢山のお花で華やかな入口付近。
◎「蝋燭の灯、太陽の光」は来週の25日(火曜日)までです。
とても感動の劇です。
 是非皆様、新宿南口の紀伊國屋サザンシアターにお出かけください。
詳細は劇団民藝 www.gekidanmingei.co.jp/2014candles.html  を、ご覧ください。