初めてのパッチワークの作品を久しぶりにソファーに

姉から『カラーを揃えグラデーションも美しい20cm角にカットした布の束』が送られてきたのは、
45年程前のことでした。
まだパッチワークが知られていない頃のことです。


自分の布も含めて10cm角に切り、ミシンで繋げたものがこの2メートル四方のパッチワークの作品。
こたつ掛けとして作り重宝しました。
しばらく使用しなかったのですが良く見ると素朴でとても良い雰囲気。
45年も経ち、よく洗濯もしましたので色も少しあせましたが、
こうしてみると、とても落ち着きます。



姉はエッセイスト・ポプリ研究家として活躍しており、あらゆることに精通しておりました。
洋書から得た知識としてパッチワークの様々なことも知っていて、私にそれを強く薦めてくれたのです。
次男が産まれ子育てで自分の時間が持てない様子をみて、どうにかしないとと思ってくれたようでした。
ただ薦めるだけでなく、布を送ってくれたり、パッチワークの参考文献を送ってくれたり。
もっと絵を描くことも強く薦めてくれました。



この作品の直後、姉からのアドヴァイスがありました。
「すべて手縫いにすること。手縫いに価値があるのよ。小物ではなくベッドカバーになる様な大きなものを作ること」
私はアドヴァイスのままに、つぎつぎとパッチワークの作品作りに熱中していきました。
やがて壁掛けの「クロワッサン黄金の針」に挑戦し、グランプリを受賞し、テレビに出たり様々な取材を受けるようになったのでした。
姉からはその後もすべて素晴らしいアドヴァイスと役立つ様々なものが送られてきて、何事もスムーズに動き出すことが出来ました。


こうして、半分に折り曲げたものを居間のソファーに置くと、これらのことがいっきに思い出され、あらためて姉への感謝の気持ちでいっぱいになりました。
今夜は電話でこのパッチワークのことを話すつもりです。