クラブツーリズムの旅3 完…北川村 「モネの庭」

クラブツーリズムの旅はいよいよ最後の目的地、北川村「モネの庭」です。

迎えてくださった方は株式会社きたがわジャルダン公園管理課長の川上裕さんでした。
15年目を迎えたこの庭園の稀有な歴史を話されて、皆で聴き入りました。
(詳細はwww.kjmonet.jp 北川村「モネの庭」マルモッタンのホームページをご覧ください)
ポイントの庭は3ヶ所。
「花の庭」ーモネのパレットを思わせる色彩の庭。
「水の庭」ー池を造ったモネは日本に憧れて太鼓橋を作った。モネの庭からの睡蓮が植えられています。
「光の庭」ーモネが旅して描いた地中海の絵のイメージで造られた、北川村オリジナルの庭園。




まずは「花の庭」
美しい!
これが有名なダブルボーダーの花壇の場所です。
雰囲気が出ています。
つい先日までモネの庭のジェームスさんがいらしていて、今後庭全体のどこをどのようにするのかの打ち合わせをされていたとのこと。
今ある庭の部分の植物一つ一つに対する今後のことなど、お聞きするほどに興味深い内容。
「独自の道を。ここはやめよう。ここの植物はふさわしくない。ここはいらない」
そのようなアドヴァイスから、川上さんの新しいモネの庭の構想がメラメラと燃え上がるように吹きだしていることが感じられて、今後の変化がとても楽しみとなりました。
ジヴェルニーで眺めたナスタチウムの道の風景は今後の楽しみとしました。




サルヴィア・グアラニチカの横に咲いていたダリアの花を摘んでボーダーに立った川上さん、
このボーダーを今後どのようにしていくかの例を見せて下さる。

「背丈の中間地点には小さな花ではなく、このダリアくらいの花でこのように目立つ色のものをもってくるつもり。
サルヴィア・インボルクラタの花では小さくてぼけて見えますから。
ボーダーではこれからクジャクアスターが花盛りになります」


庭に向かう階段を下りると、太いヒマラヤスギが二本植えられています。
写真はその右側のヒマラヤスギを見た場所。
鮮やかな赤いベゴニア花盛り。ジヴェルニーではこの位置のあたりに真紅のゼラニウムが植えられていていつもあっと驚くほどの派手さ。
またジヴェルニーでは、モネが住み始めた当時すでに建物の前にあったイチイを残してボーダー花壇が作られました。
この二本の木は庭園のポイントになる、大切な木でボーダーへと続きます。
庭園は無農薬とのこと。蜘蛛やカマキリなどがあちこちで見られました。
しかし右側のヒマラヤスギは上部を虫にやられたとのことで心配。なんとか左右対称の風景であってほしいです。
今年の台風は三回。その被害の様子は全く分かりませんでした。
「あそこの木が折れたんです」
などと説明していただいて、初めて気が付くのでした。
自然の脅威を相手にそのたびに対処している、川上さんのエネルギッシュな行動力が伝わってきました。ガーデナーは6人とのことです。




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ボーダー花壇のその右隣には2本の細いボーダー花壇。サルヴィア類がどれも花盛りで実に美しい。
ジヴェルニーの庭ではもっと細い小道が何本もあり、そこに一年草多年草を交互に植えるという工夫がされました。





苗を販売の場所。帰り際にサフランの球根購入。これを咲かせて雌しべを収穫して、 パエリアやブイヤベースをつくるつもり。少し遅めですが、本日植えました。





「40,000ポットの苗、300種以上の苗を栽培しています」
こうして花壇への花々は着実に用意されている。だから庭が充実しているのですね!





温室の前のコーナーも、心遣いのある華やかさ。



「水の庭」は、地下水が使用されている。
睡蓮は、190鉢に植えられて管理されている。
モネの庭から株分けされたものとのこと。
青い熱帯睡蓮も咲いていた。
右側の小川では、デオライトを30cm入れて濾過している。
水を動かして、常にきれいな水に。
池には空や雲が写りこみ、幽玄の美しさを与えてくれる。
池の縁の所で絵筆を使い池の様子を描いている人がいた。
幸せそうな様子が印象的。




コルチカム咲く道を通り、「光の庭」へ。



『「光の庭」は、モネの地中海への旅で描かれた庭。
今のジェームスさんの前の担当者、ジルベール・ヴァエさんのアドヴァイスを受けながら、まったくオリジナルのこの庭園を造りました』

ココス、ワシントン、ビロウ、サバル、セネガルなどのヤシが植えられた。
「これからは、ブーゲンビリアを鉢で入れようかと思います。アガベは、室戸岬からです」と川上さん。

素晴らしくダイナミックな躍動感のあるクリエイティブな庭園に、川上さんのバイタリティーをも感じ取れる。




遊具のある場所に、可愛いトピアリーが。
再び池の横を通り過ぎて入り口部分へ。



川上さんの様々なエピソードを含めての楽しく専門的な説明は、とても満足の素晴らしいものでした。この庭園の様子も理解できました。
これからもっともっと大変化がありそうな、大変楽しみな庭園ですね。
そして四季折々楽しめる庭。
沢山の皆様に訪れていただきたいと思いました。
川上裕さん、長時間ありがとうございました!
トレードマークの長いお髭は前日に短くされたとのこと。


◎フランスのジヴェルニーにある「モネの庭」は、大好きな庭で、「桐原と行く花の旅」や取材の旅、クラブツーリズムの旅などでよく出かけております。
私の訪問したのは5月、6月、7月、9月、10月。
7月初旬の旅はNHK学園の研修旅行の講師としての旅で、バラもフロックスも花盛りでした。
ポイントは館の前に広がるイチイの大木の前に伸びるロングボーダーとその左側の果樹園部分と右側に帯状に造られた季節の花々が咲き誇る場所。
そしてもう一か所は、トンネルをくぐりぬけて道を渡った場所にある睡蓮が咲く池の部分です
毎回感動の庭ですが、とくに印象的だったのは10月13日に訪ねた時です。
ロングボーダーにナスタチウムが両脇から伸びて、まるでモネの絵のような風景になっていたのでした。


◎こうしてクラブツーリズム主催の、一泊二日の『こだわりの花めぐり ハーブ研究家・桐原春子さんと行く 秋のおすすめツアー』である、『桐原春子さんと訪ねる名画の中の花 大塚国際美術館と北川村「モネの庭」、牧野植物園 2日間』の旅はとどこおりなく終了いたしました。
添乗員の長谷碧さん、ガイドをしてくださった上村さん、ドライバーの井上さん、ありがとうございました。
そしていつもご提案くださる、舩山純さんお世話になりました。
今回も素晴らしい旅となりました。ありがとうございました。
又次回の旅が決定しましたら、このブログやクラブツーリズムのホームページでもお知らせいたします。
是非皆様ご参加くださいね。
クラブツーリズムの花の旅につきましてはwww.club-t.com/の「花めぐり」をごらんください。