蜘蛛の巣を見ると・・・


 蜘蛛の巣のその精緻な模様が好きです。光が当たってキラキラ光ったり、雨後に真珠のような露が並んでいたり。
 小学校の5〜6年生の頃、担任のT先生が暗記の大切さを授業で取り上げ、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を暗記することに全員が挑戦したことがありました。
 そのために今でも「ある日の事でございます。お釈迦様は極楽の蓮池のふちを独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました」・・・と、切れ切れに思い出すと同時に細い蜘蛛の糸をよじ登るカンダタの姿がふと目に浮かびます。そしてぷつんと切れてしまった様子も。あの頃子供心にどうしたら良かったのか、しばしば考えたことも思い出します。