英国のケント州にあるシシングハースト・カースル・ガーデンズは、外交官で著述家のサー・ハロルド・ニコルソンと、作家で園芸家のヴィタ・ サックヴィル・ウエスト夫妻が造り上げた庭です。1930年に荒れ果てていたこの場所に移り住み、情熱を傾け造られました。現在はナショナルトラストによって保全されています。
庭全体は部屋のようにわかれていて、そのどれもに魅了されますが、今回ご紹介する場所はハーブガーデンです。
堀の向こうに生垣で壁が作られていて、中に入らないと見えないというサプライズの造りです。
手前にはタイムいろいろ。
上の部分に入口が見えますが、とても狭いのが特徴です。
6月18日には、藤の花が満開で、甘い香りを放っていました。
中はタイムの飾り鉢の部分を中心に道で区切られていて、それぞれのコーナーには使用目的別にハーブが植えられています。
基本的なものから珍しいものまで植えられていて、ハーブの勉強には最適な場所です。
手前のタイムの飾りといい、その下の扱いと言い、美意識に優れたご夫妻のこだわりが伝わってきます。
全体はきちんとした整形式ながら、植え込むと自然風で、いつ行っても心和む大好きな場所です。
このカモマイルのベンチは1986年にここを初めて訪れて感化され、
家の庭に春子流のものをレンガで造ったのでした。
道のレンガの敷き方にもこだわりが感じられます。
庭にこんな場所を造っただけでも、整いそうですね。
キャラウェイが花盛りでした。
剪定した枝で支柱作り。足元にはつる性のハーブが植えら、これから伸びてきます。
◎ただ見るだけではなく、料理やテイーやポプリや染色など生活に役立つハーブガーデン。自宅に作る場合も、多少手がかかっても、基礎のデザイン部分がきちんとしていれば、なんとか美しく保つのではないかと思わせるハーブ・ガーデンです。