NHK学園国内スクーリング『小豆島に花とハーブを訪ねて』・・・3

10月17日
小豆島の「オリーブ園」は、前日訪ねたオリーブ公園のお隣にありました。



案内して下さる三宅さん。
「こちらへどうぞ! この白い花は香料用のジャスミンで、良い香りがしますよ」



私がもうずーと昔、香料会社の方にいただき大切に育てている本物のジャスミンと同じもの。
こんなに見事に咲いていて、うれしくなりました。

◎南仏グラースの香水工場を訪ねた時お聞きした、
ジャスミンは繊細な香りなので熱を加える蒸留の方法ではなく、花を一輪一輪摘み採り動物の脂肪に浸出させて取りだす方法で抽出する貴重なエッセンシャルオイル
と説明されたそのジャスミンそのものなのです。
その先に見えるのは、時期が来ると美しい紫の花が咲く枝を伸ばしたジャカランダと、イサムノグチの作品の一つです。



世界的な彫刻家イサムノグチの遊具彫刻は2012年に完成しました。
イサムノグチの作品がこうした形になっているのは世界で初めてとのこと。
芸術作品がそのまま遊具になっているのが素晴らしい。

◎今年の4月青森に出かけた時に観た草間弥生さんの芸術作品遊具を思い出しました。




「オリーブの森」が「ようこそ」と、誘ってくれます。




カーブを曲がり上り坂を少し進むと、
1908年に初めて小豆島に導入され、その木からさし木した二世の木のオリーブの原木が堂々と存在感を示しています。
1919年からオリーブの栽培を始めて、産業用として日本で一番古いオリーブ園の原木です。
この広いオリーブ畑には年に一度くらい苦土石灰をまくとのこと。
肥料は年に2〜3回。よく実るためには肥料は大切です。
オリーブは今年伸びた新芽に花が咲いて実がなる。
木は丸く切らずにそれらの枝が活きるように特技のある方が剪定。
隔年で実る。今年は小ぶりで少ない年。
オリーブ油は7%くらい。熟すと10%。品種により20%。
渋抜きは苛性ソーダで処理し、水洗いをしてから塩漬け。
ミッションやマンザニロが使用される。



果実は機械ではなく、傷がつかないようにこのハシゴに乗って手摘みします。



皆様で記念写真。うれしい瞬間です。
想い出に残る旅になりそうですね。





丘の上には十字架が立っています。
小豆島と世界の平和が祈願された「文明の塔」です。
ヴァチカンの方がいらして下さったそうです。

◎ヴァチカンといえば今年の5月に私の旅で訪れましたが、来年も5月にバチカンの別荘カステルガンドルフォの庭園を訪問予定です。詳細は、このブログでお知らせいたしますので、ご覧くださいね。




小さくても存在感抜群のオラトリオ。

「オラトリオ」はイタリア語で祈祷所のことです。
ステンドグラスのモダンなデザイン、明るさ美しさに感動致しました。




(オリーブ加工場)

油を搾る為の摘んだばかりのオリーブは、その味わいや香り風味を考えて、若い緑のものと熟し始めた紫色と熟した黒いものが微妙にミックスされます。


300キログラムから400キログラムで、20リットルから30リットルのオイルが収穫されます。


72時間以内にオイルが絞られますが、ここでは24時間以内、8時間以内のことも。
瓶詰した後キャップをする時、窒素充てん処理をします。
最終的には黄色になりますが、搾りたてはこのようにまだ緑色です。



オリーブを絞ったカスは、産業廃棄物として処理されたそうですが、10年前から牛の餌になり、結果、香川県のブランド牛に。今はハマチや豚にも使用されています。乾燥してからこのように容器に詰めて業者が来るまで保管。





1989年までは実際にこの油搾り機を使いオリーブ油を絞っていました。




「オリーブ園ギャラリー展」が行われていました。
イサムノグチと何人かの芸術家の作品でした。とても素晴らしいギャラリーでした。

イサムノグチの提灯型の照明は実家で父が居間や書斎に使っていたので、私も今の家で使用しているお気に入りです。
そのため、なんだかとても親しみを感ずる懐かしく思える空間でした。




こうした芸術的なものとのコラボレーションが、とてもマッチしているオリーブ園でした。



ここにも、オリーブ公園にあったものと同じ時、昭和天皇が播かれた種からのオリーブの苗が育ち見事に育っておりました。




お店にはオリーブ製品をいろいろ売っていました。
オイルはもちろん、化粧品や石けん、いろいろなお菓子、お箸などなど。
解禁になった新物の塩漬けもありました!
今年のオイルはまだ並ばず、唯一ランチの時に出るそうです。



オリーブは種からだと10年〜15年、さし木でしたら4〜5年で実がなるそうです。
宅配便で購入される方が何人もいらっしゃいました。



ランチはお洒落で美味。

出来たばかりの貴重なバージンオイルをパンにつけていただきました。絶品!


出発のバスの駐車場からオリーブ園を撮りました。斜面というのが良くわかりますね。
「三宅さんご丁寧な対応、ありがとうございました!」
また来たいなあと思いながらお別れしました。



遅れないようにフェリーに乗船。新岡山港まで約70分の船旅、青空に白い雲、海がきれいです。