私のシンブル(thimble)物語

昨日ご紹介したシンブル、これを機会にと二日がかりでまとめました、「私のシンブル物語」です。

私のシンブル・コレクション。左のシンブル入れはずーと前に夫が作ってくれたもの。

 私がシンブルに魅せられたのは、1986年初めての英国旅行の時でした。
 コッツウォルド丘陵の斜面にある、ピーター&ジリアン夫妻が楽しみながら営んでいる、ヤギのいるハーブ・ガーデンを訪ねた時、母屋の隣にはピーターさんのお年を召したお母さんの棟、グラニーアネックスがありました。ここにはお客が滞在できる部屋もあり、この旅を企画しながら都合で同伴していただけなかった、当時姉のポプリの生徒さんだった北野佐久子さんも滞在したとのことで、家族皆で大歓迎してくれたのでした。旅友は私や姉の生徒さんなど10人ほどで、皆気持ちの良い方ばかり。
「私の部屋にいらっしゃい!」と、おばあちゃんに呼ばれて隣の棟に行くと、今まで見たこともないシンブル・コレクションがガラスの美しい入れ物に飾られていました。ひとめで魅せられてしまいました。
 シンブルは世界のあらゆるところに売っていること、その場所の絵が描かれていて小さいながら記念になること、まとめて入れる専用のケースもいろいろと売られていること。手書きの芸術作品もあることなど知りました。部屋のインテリアとしても素敵なものだと思いました。

ロイヤルファミリーのものもあり、その度に記念にと買いましたが、今こうしてダイアナさんのお顔を見ると複雑な思いがします。右端はエリザベス女王在位50年記念のシンブルです。

スコットランドでまとめました。国花はアザミです。また白いヒースは持っていると幸せになるというホワイトヘザー。スコットランドのメアリー女王、ホーリールード宮殿のメアリー女王のポマンダーを見たことも強烈な思い出です。ネス湖を訪ねた時すぐ上の小屋が火事で燃えて消防車がきたこと、ネス湖の水に手を浸したこと、はるばるコーダー城まで出かけたことなど、沢山の思い出がよみがえります。


イギリスの庭巡りはその後今までずっと続いています。庭園の絵柄がとても繊細です。庭園の名前も記入されていて記憶を呼び覚ましてくれます。

 私のパッチワークのきっかけを作ってくれたのも、その資料やハーブの参考文献など、私のために常に細やかな気遣いをしてくれ、励ましてくれるのが姉です。これらのシンブルも海外に行く度にお土産に添えてくれたものです。イギリスでは湖水地方水仙ストラトフォードアポンエイヴォンのシェイクスピアに関するもの、義兄の熊井啓監督の国際映画祭に姉も同行するようになるとその時のものが。
 1989年のベネチア国際映画祭の時「千利休 本覺坊遺文」で監督賞(銀獅子賞)を受賞した時には、二人でサンマルコ広場から小道を辿ったとのこと。その時に見つけたのでしょうか。手前の真っ赤なベネチアングラスのシンブルがお土産でした。またモントリオール国際映画祭で「式部物語」が最優秀芸術貢献賞を受賞した時には、姉は義兄の心遣いもあり、時間を見つけてプリンスエドワード島に渡り赤毛のアンの世界を取材し(『赤毛のアンの人生ノート』を書き上げました)、お土産にプリンスエドワード島の花レディース・スリッパの花が描かれたものとガラス製のまるで白い雪が降っているようなてんてんのあるシンブル。これらは、いつ眺めても夢の世界へと心が放たれるような気持ちになります。

やがて私は世界のあちこちへの旅にも出かけるようになりました。友人にいただいたものもあります。
上左からスペイン、ギリシア、オーストラリア
オランダ
ハワイ、タイ、ジャマイカ、カナダ、シンガポール
デンマーク(友人)、ドイツ、スイス
ローマ、ニューヨーク、カルフォルニアポルトガル
昨夜見つけてびっくり。忘れていました。ジャマイカは次男夫婦の新婚旅行のお土産。コーヒーも美味しかったです。

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フランスでもいろいろと。アヴィニョンでは画家がラヴェンダー畑を細い筆で描いていました。シンブルは一つだけでラッキー。

こんな入れ物に入って売られています。素材はボーンチャイナとか錫製、木彫りなどです。左はテュダー朝時代のレプリカです。

ウエッジウッドのもの、螺鈿、七宝、木彫り、友人お土産の韓国の布製も。

可愛い動物たち

花いろいろ

 私を喜ばしたのは、夫が南フランスのツールーズに長期出張をしていた時、町中に市が立ち、そこで見つけて買ってくれた実際つかわれていたシンブル。手前の真ん中のものです。それも長いこと使われて、すでに穴が開いているものです。沢山の布やツールーズ名物のスミレの香水や人形や絵とともに買ってきてくれたおみやげの一つでした。